日本の大手エアバッグメーカーであるタカタの苦境が、主要取引先の1つでもあるホンダかの採用中止の決断が明らかにされて、再び注目を浴びています。
ご存じかとは思いますが、問題があったのはタカタ製エアバッグの中の、爆発してエアバッグを膨らませるガスを発生する“インフレーター”という装置です。非常に僅かな時間で必要なガスを噴出すること、決して誤爆しないこと、エアバッグ作動時に分解しない強度を持っていることなど、インフレーター製造には深いノウハウの蓄積が必要です。

Takata

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タカタは日本唯一の大手エアバッグメーカーであり、世界シェア第3位、十分な技術力も備えた企業です。インフレーターの問題は、設計ではなく、海外に設立した工場の工程不具合にありました。
現在では、長く続いた円高の影響や自動車メーカー自体の海外現地生産の大きな流れもあり、自動車部品メーカーが海外に工場を持っていることは別に珍しくもありません。しかしながら、工場立ち上げ時には、どの会社も現地工場で働く作業員の教育や、不良品を出さない為のポカヨケの工夫などには、大きな苦労を経験します。
タカタのインフレーター不具合の原因が明らかになった時に、もちろん保安部品のメーカーとしてあってはいけないことではありますが、納得、同情、そんな感情を覚えた人も、特に同業者の中には多かったのではないでしょうか。
ただ、タカタが更に自分の首を絞めてしまったのは、その後の対応の悪さ、特に情報開示の遅れです。米国の交通安全局は最大で240億円の制裁金を課すと言っていますが、このうちの30%近くは情報提供遅れに対するものです。また、ホンダがタカタの不採用を決めた背景の一つには、タカタから提出された性能評価の中に不適切なものを見つけたことがあるといいます。
米国での大きなリコールといえば、トヨタのブレーキの件があります。米国の工場閉鎖決定直後に、少々悪意を感じる様な訴え方をされましたが、トヨタの対応は早く、問題はそれほどトヨタのイメージを長く傷つけることなく終息しました。
リコール品を出さないことはもちろん重要で、各メーカーが品質保証活動に努めていますが、それでも自動車部品のリコールは、小さなものは大きく報道されないだけで、毎年大量に出ています。リコール品を出してしまった後にどう対応するか、これがより重要なことではないかと考えさせられる案件でした。