ソニーがベータ方式のビデオカセットテープの出荷を2016年3月で終了する、との小さな記事をみつけました。
出荷終了という情報よりも、「まだ販売していたんだ」という事実に驚いてしまいました。
ビデオテープレコーダー自体が、多くの家庭でブルーレイやDVDレコーダーに置き換わっています。
若い世代の人は、「ベータのビデオテープって何?」と思うかもしれません。
ビデオテープは、家庭でテレビ番組などを録画する際のデータの保存媒体として、

DVDの普及(デジタル化)までは広く利用されていました。
1975年にソニーが、翌1976年にビクターがビデオテープレコーダーとビデオカセットテープを販売したのですが、
この2社の製品は互換性がなく、カセットテープの大きさ自体に違いがありました。
ソニーが開発したテープがベータマックス方式、通称ベータ、ビクターのものがVHS(Video Home System)でした。
ここから、両ビデオテープの長い戦いが始まります。通産省が規格統一を提案しても両社と譲りません。

Tape

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ビクターの親会社であった松下電機も、諸事情があって旗色をはっきりしなかったのですが、
遂に1976年に、松下本社に、松下幸之助とソニー、ビクターの社員が集まり、2つのビデオデッキを比べる、
という会議が持たれました。その場で松下幸之助は、「ベータは100点、しかしVHSは120点」という有名なコメントを残して、
部品点数が少ないVHSに軍配を上げました。しかし、それからも10年ほど、
2種類の規格のビデオレコーダーがシェア争いをしながら共存する状態が続きましたが、
最後には、録画時間をより長くするこておに成功したVHS方式が主流となりました。

ソニーは規格争いに敗北したわけですが、この経験は良い教訓となり、
その後のソニーの経営方針をより賢くしたと言われています。
販売中止が決まったベータ方式テープの2015年販売見込みはたったの400巻とのこと。
音声分野では、最近はCDなどのデジタル音声ではなく、レコードのアナログ音声の再評価の動きもある様ですが、
ビデオテープ(しかもベータ)の復活はないでしょう。少し寂しい気もします。