日本の宿泊施設不足を背景に、民泊の制度が近頃話題になっています。宿泊施設は不足していてニーズはある、利用者も安く泊まれて、国際交流にもなる、といいこと一杯です。しかしながら、法的には様々なことが曖昧な状態のままで、地方自治体の積極的な動きを疑問視する声もあります。

実は私は、ドイツでの旅行では、この民泊なるシステムを何度も利用したことがあるのです。流石に法律上はどう整備されているのかまでは知識がありませんが、例えば夏に特設会場を組んでオペラや演奏会を行う、ホテルやペンションなどほとんど無い町や村では、ゲストを泊められる民家の一覧、住所や電話番号、地図などが用意されていましたので、公に認められている制度の様でした。

ドイツは、一部の繁華街を除いては(それは日本も同様ですが)、日本と同じレベルに治安が良く、安全な国です。基本的には真夜中でも平気で表を歩くことができます。そして、性質として、(良い意味で)かなりのお節介、世話好きです。ベルリン等の新しい住人が多い大都市は例外として、ご近所同士の眼も厳しく、コミュニティー意識も高いです。

Apartment

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実はこれは、民泊が安全な形で広まる為には重要な要素ではないかと思うのです。国自体の治安が良く(民泊が犯罪に悪用されずに安心して利用できる)、周囲のやわらかな監視の目がある(何かあった時に周りの住人が助けてくれる)からこそ、こちらも安心してドイツのあちらこちらの知らないお家に、時には男性一人で住んでいるお家に女性一人で、お邪魔できるのです。

お部屋を貸しているご家庭は様々でした。年金暮らしの老夫婦(この二人は初対面の私を家に残して1泊旅行に出てしまいました。私の手癖が悪かったらどうするつもりだったのでしょうか)、独立した息子の部屋を有効利用しているしっかり者のマダム、この部屋は元は納屋だったのでは?と思わせる雰囲気の、レンガ造りの広くて古い平屋に住んでいた、いなか町の大家族などなど。

こうして思い起こしてみると、どのお家の一夜も、自分の中でいい思い出になっている様です。

日本は国民気質がドイツ人と似ているとしばしば言われます。また、外国からのゲストには、せっかくだから楽しんでいってもらいたい、というおもてなしの心もあると思います。日本の家庭の1部屋に泊まる旅行も、なかなか良い思い出になると思うのです。

国や自治体は、法律がどうこうではなくて、どうすれば民泊システムの安全を確保できるかにもっと知恵を絞って欲しい、そう強く感じました。