米国でのドナルド・トランプ氏の、過激な発言が議論を呼んでいます。
同氏は、ご存じの様に、“イスラム教徒のアメリカへの入国の禁止”という、
少々常識を超えているかにみえる措置を、暫定的なものとしながらも訴えています。
興味深いのは、同氏の発言に対しての反応が大きく分れていることです。

地元のアメリカでは、一部批判も聞こえるものの、来年の大統領選に向けた共和党候補者指名争いでの
トランプ氏への支持率が、10月度調査の28%から41%へと急上昇しました。
一方で、イギリス、フランス、イスラエルなど、各国からトランプ氏への抗議の声が相次いでいます。

イギリスではトランプ氏の入国禁止を求める署名が40万人を超えたそうです。
入国禁止案に対抗して入国禁止運動を行うところが、なんとも洒落ています。
フランス首相、ロンドン市長、イスラム圏とは対立しているイスラエルのネタニヤフ首相、
国連難民高等弁務官事務所も、それぞれ公式・非公式にトランプ氏の発言を非難しています。
アメリカ国内でも、ハッカー集団がトランプ・タワーのサイトをダウンさせて犯行声明を出す、といった事件も起きました。

Donald Trump

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世界中の反トランプ氏の動きにには、少しホッとさせられるものがあります。
人種差別、宗教による差別、差別による貧困、そういったものがイスラム過激派思想に
走る人間を産み出す原因になるからです。イスラム国で“冷酷な処刑人”として活躍している
ある青年が過激思想に傾いたきっかけは、海外旅行中に理由もなくスパイ容疑で拘束、
尋問されたことだとも言われています。危険に対する不安がそうさせているのであれば、
トランプ発言を指示している人達も、早く冷静に戻って欲しいと思います。

今回もう1つ興味深かったことは、アメリカの共和党支持者、民主党支持者の間でもトランプ氏の
発言への評価が大きな差を見せた転で、共和党派の方が多く同氏に賛成しています。
アメリカの2大政党支持者同士は、昔ほど政治的意見に大きな差が見られなくなってきたといわれていますが、
こんなところで、相変わらずのカラーの差を見せるとは意外でした。いかにも昔の共和党らしい、
勝手な保守的さが復活した様に見えます。大統領を直接選挙で選ぶ国
(厳密にはアメリカは直接選挙ではありませんが)は、大統領の政略=国民の大多数の考えということになります。
もしもトランプ氏が大統領選で勝ち昇っていくとしたら、それはアメリカとしては恥ずかしく感じるべきことなのではないか、
そんな気がします。危機感を上回る良識に期待したいです。