TVのCMなどの活発な広報活動によって、「ジェネリック医薬品」については広く知られる様になりました。製薬会社が研究開発した医薬品の特許が切れた後に、同じ効果を持ちながらより安価に提供される後発薬のことです。
このジェネリック医薬品の市場が、政府の強力なバックアップで、急激に伸びようとしています。政府は、2017年までの後発薬普及億表を60%以上としていましたが、これを2020年までに80%以上へと引き上げました。
政府の狙いは、莫大な医療費の伸びを抑えることです。例えば大型病院では、後発薬を60%近くに達すると診療報酬が増える、薬局では、取り扱う後発薬シェアが55%以上であれば、処方箋1枚につき180円の報酬のところが、65%以上だと220円に上がる、など、様々な方策でジェネリック医薬品の社拡大を狙っています。

Medicine

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一般の消費者にとっても、先発薬と比較すると、後発薬の価格はかなり手頃な場合がありますので、薬局がより多くの種類のジェネリック医薬品を取り扱ってくれることは、懐事情的にはありがたいです。
が、日本の医薬品メーカーの先進性を守るという観点からみると、この施策は医薬品開発を行っているメーカーの足を大きく引っ張ることにはならないでしょうか。医薬品の開発には、多大な費用と長い年月がかかります。新薬を創ろうと研究を行っても、実際に販売までたどり着けるものは、多くの研究の中のほんの僅かだといいます。市販の前には、副作用等がないことを検証しなければなりませんし、市販後も、一定期間は市場からのフィードバックを取りまとめて、安全性の検証を行います。1つの新薬が世に出て受け入れられるまでにかかる、トータルでの労力、コストは莫大なものです。
そして、医薬品メーカーは、国内はもちろん海外の開発メーカーとも、開発のスピードを競わなくてはなりません。
体力のある大手の製薬会社は、まだこの逆風に耐えられると思いますが、新薬開発と後発薬と双方の利益で成り立っている様な中規模の製薬会社の中には、経営方針から考え直す必要を感じる処もあるかもしれません。
政府のジェネリック贔屓のこの政策、将来的に日本の医薬品開発力を弱めることがなければ良いのですが。