数年前に、「テルマエ ロマニ」というコミック原作の作品が、まさかの実写映画化(阿部寛扮する主人公は古代ローマ人です)されて話題になりました。原作者のヤマザキ マリさんは、日本も含めて世界中のお風呂文化に強い興味を持っている方です。

「テルマエ ロマニ」の主人公は古代ローマの浴場建築家です。例えば“カラカラ大浴場”は名前も良く知られていますが、ローマ帝国では娯楽、社交の場として浴場が重要な働きをしていました。

歴史の古さでは流石にローマ帝国には敵いませんが、日本の温泉にも、長い歴史をもつものがあります。例えば、日本三古湯と呼ばれる温泉があります。愛媛県の“道後温泉”、兵庫県の“有馬温泉”、和歌山県の“白浜温泉”です。“白浜温泉”の替わりに福島県の“いわき湯元温泉”を加える場合もあります。

Onsen

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では、これらの3(4)古湯同士で歴史自慢を比べてみたら、一番古い温泉は、一体どれになるのでしょうか?

“道後温泉”は、596年に聖徳太子が訪問したことが、伊予国風土記逸文に残されています。“有馬温泉”は舒明天皇が訪れたという記録が残っています。この方は“飛鳥時代”に推古天皇の後を継いだ天皇(在位629年〜)です。“白浜温泉”には、658年に斉明天皇が来ています。この方は舒明天皇の妃で、その後を継ぎました。(但し、一度退位してから斉明天皇として重祚) “いわき湯元温泉”の歴史は、奈良時代まで遡ることができます。

というわけで、記録を調べた上での古さ対決は、どうやら“道後温泉“が勝ちの様です。が、困ったことに、更に古いエピソードも伝えられています。

有馬温泉にある湯泉神社の縁起によると、有馬温泉を見つけたのは大已貴命、少彦名命という2柱の神様だというのです。そして道後温泉も、大国主命が、別府温泉の湯を海の底を通して道後温泉に導いて、小彦名命の病気を治したという話が伝わっています。

飛鳥時代からさらに時代を遡って、神代のお話にまで辿りついてしまいました。こうなると古さ比べの検証もややこしくなってきます。でも、神話にもエピソードが出てくるほどに、日本人と温泉とは、古くから強く結びついていたことは良く感じられます。

この冬も、どこかの温泉に出かけて温まってみたくなりました。